初心者が本当に知りたい、始めてみなければわからない金魚飼育の始め方を初心者の目線でわかりやすく紹介しています。

金魚水槽の水換え頻度とメンテナンス

金魚水槽のメンテナンスと言えば、思い浮かぶのはまず水換えです。1~2週間に1回、水槽の3分の1~2分の1ぐらいの水量を交換します。私は金魚を飼う前、水槽を維持するには水換えをすればよいだけだと思っていました。

しかし実際はそれだけではありません。水槽に設置するフィルターのマットやろ材、活性炭などを定期的に掃除や交換する必要があります。

また水を循環させている水中モーター(コトブキ工芸上部フィルターの場合)の掃除もあります。水中モーターは電気製品としてはかなり寿命が短く、半年から1年で交換することになります。

水槽の水換えを初めとした金魚水槽に必要なメンテナンスのサイクルをわかりやすくご紹介します。朱文金3匹の60cm水槽でお話ししていますが、頻度は水槽の大きさや金魚の種類、大きさ、数により変わります。ご参考までにご覧下さい。

初めの1ヶ月はとにかく水換え

なぜ水換えが必要か

金魚が排泄するアンモニアは、金魚にとっては猛毒です。水槽内に住み着くバクテリアは、まずアンモニアを毒性が強い亜硝酸塩に変え、次に、更に毒性が弱い硝酸塩に変えてくれます。硝酸塩は水槽内に残ります。

水槽を立ち上げてすぐはバクテリアが定着していないので、猛毒のアンモニアやエサの食べ残しがひたすら溜まっていきます。そこで初めの1ヶ月ぐらいは、頻繁な水替えが必要になります。

朱文金などの金魚たち

バクテリアの定着を助けるために、バクテリア剤を使う方法もあります。ただ、使ったとしても即座に定着してアンモニアを転換するサイクルが始まるわけではありません。助けにはなりますが、特に初期の水換えは、しっかり行いましょう。

1週間目まで

トリートメントが無事に終わり金魚が本水槽デビューしたら、初めの一週間は毎日~3日に一回は水槽の3分の1ぐらいの水量の水換えをしましょう。

金魚が新しい環境に慣れるのを待って、と思うかもしれませんが、その間にも猛毒のアンモニアが増えていきます。特に最初の3日間は毎日水換えしていいくらいです。この時に追加する水はカルキ抜き、温度合わせを忘れずにしましょう。

水換えの頻度は、水槽の大きさに対して金魚の数が多いか少ないかにもよります。単純に考えて、金魚2匹と比べて金魚4匹では排出されるアンモニア量は2倍になります。それだけ水は早く汚れます。

バクテリア剤を使っている場合、定着の速度の助けにはなりますが、水槽立ち上げ初期は効果に頼らずに水換えをしっかりする方が良いです。

水槽の中で泳ぐ金魚たち

1ヶ月目まで

金魚の水槽デビューから1週間以上たてば、さすがに毎日は水換えしなくて大丈夫となってきます。1~2週間目ぐらいまでの間は、状況しだいで、3日~1週間に1回、水槽の3分の1~2分の1ぐらいの水換えをします。

ただ昨日まで毎日水換えしていたのに、いきなり一週間空けるのは止めた方がいいと私は思います。少しずつ間隔を延ばしましょう。

2週間目を過ぎたら、1週間に1回の水換えとして、仕事の休みの日などに曜日を定着することができます。それまで3日に1回の水換えをしていたら、間隔を次は4日目、次は5日目と徐々に延ばしましょう。

1ヶ月たてばバクテリアが機能し始めてくれるので、あくまで様子を見ながらですが、通常の1~2週間に1回のペースでの水換えで大丈夫です。

初めの1ヶ月間は、フィルターやモーターはまだ新しいので特にメンテナンスしなくても何とかなります。とにかく、水換えを頑張りましょう。やれば慣れてくるし、コツもわかって楽しくなってきます。

水草の合間でこちらを見ている金魚

立ち上げから1ヶ月たつ頃には、水槽にコケが目立つようになります。コケの掃除はヘラやメラミンスポンジでこすって落としましょう。水槽の管理は、ある意味コケとの戦いかもしれません。

ウールマットは洗うより交換

ウールマットは水槽内のフンや食べ残しなどを物理的にこしとります。同時に、金魚が排泄する有毒なアンモニアを毒性が弱い亜硝酸⇒硝酸へと変えるバクテリアの住み家にもなります。

せっかく住み着いて水槽内の環境を保ってくれるバクテリアを守るために、ウールマットは交換するべきではない、という意見があります。

ウールマットが汚れてきたら軽く水洗い(水道水ではなく、飼育水で)して再利用する方がコスパもいいし、その考え方で私もやってみました。

水槽を立ち上げて6週間ほどで初めて、使っていたウールマットを洗うために持ち上げてみました。その瞬間、いや、これは洗うとかいうものじゃなく、交換するべきだと悟りました。

茶色というかけっこう黒く汚れています。ウールマット、つまり綿みたいなものなので、水に浸かってクッタクタの状態です。フィルターをウェットで使っているので(常に水に濡れている状態)余計に再生不能に見えたのかもしれません。

私は、これは交換するべき、と考えましたが、この状況でもきっと洗って再利用している方はいらっしゃると思います。個人の判断それぞれでどちらが正しいかは決められません。

真っ直ぐこちらを見て何か言いたそうな金魚の表情

さて、交換用のマットを一応準備していたので、「洗って再利用」から「交換する」に急遽方針を切り換えました。使用していたウールマットを丸めてバケツに移し、よく絞って、出た水はバクテリア保護のために少しでもと思い水槽に戻しました。

というわけで、私は以後ウールマットは、1ヶ月を目安に新しいマットと交換することにしています。含んでいた水は絞って水槽に戻します。

ウールマット交換と水換えを同時にやると水槽内の環境が変わりすぎるので、3日~4日ずらすのがポイントです。メンテナンスはどれも一度にやらず、計画的に日をずらして行います。

リング・ボール型ろ材はバクテリアの住み家

リング型やボール型のろ材には、バクテリアが繁殖して住み着き、水槽の水をきれいにしてくれます。洗いすぎるとバクテリアが減って水槽内の環境が変わってしまいます。

穴が汚れで目詰まりして水が流れなくなっていたら軽く洗う、また割れたり欠けていたりしたら壊れた部分だけ交換、ぐらいがちょうどいいかと思います。ウールマット交換のときなどに汚れすぎていないことを確認します。

水草などの環境が整った水槽を泳ぐ金魚

4~6ヶ月に1度ぐらい、取り出してしっかり見てチェックしましょう。構造が多孔質なので、内部が目詰まりすると水が流れなくなり、バクテリアが繁殖しにくくなります。そうなるとしっかり洗うか交換が必要かもしれません。

その場合も一度に全部やらず、3分の1とか半分ずつ洗うなり交換なりをして環境の変化を少なく抑えましょう。


ポンプはけっこう汚れる

フィルターに水をくみ上げる水中ポンプ、私はコトブキ工芸のパワーヘッド9を使っています。取説には、定期的に掃除をしてくださいと書かれています。汚れ具合は金魚の数やエサの量によるので頻度は「定期的」としか書かれていません。

私が初めてポンプ分解掃除に挑んだのは、水槽立ち上げから8週間後でした。金魚を飼う前はポンプの掃除までするとは思っていませんでした。

バケツに取った飼育水でポンプ本体や分解した部品を洗うと、すっごい汚れがドロッと剥がれて驚きました。これは掃除が必要なわけだと納得です。

掃除して水がきれいな水槽

そこで私は水槽メンテナンスについて、ウールマット交換、水中ポンプ掃除を1ヶ月のサイクルと決めることにしました。毎月カレンダーに書き込めば忘れずに済みます。

掃除のしかた、分解方法についてはメーカー、ポンプによると思うので、取説参照です。私は説明書きがある箱とか取説は必ず取っておくので、後で役立ちます。なければネットで調べて何とかなります。

活性炭を使った方が絶対いい

水槽を立ち上げて金魚が本水槽デビューを果たし、しばらくしてから、水槽のニオイに気付きました。最初は室内用の消臭剤を水槽近くに置いてみましたが、ニオイはおさまりません。

考えてみれば、当然のことです。水道水は消毒のために塩素を入れているのに、水槽の水はわざわざそれを抜いているので、雑菌が繁殖し放題です。

そこで活躍するのが活性炭です。フィルターの中でウールマットの下に入れて使います。活性炭を使ってからはニオイは全くしなくなり、水もスッキリときれいに見えるようになりました。

スッキリときれいな水槽を泳ぐ金魚

私が活性炭を使い始めたのは水槽立ち上げから2ヶ月ぐらい経ってからですが、もっと早く最初から使えば良かったと後悔です。初心者で知らなかったのでしかたないですが、絶対に使った方がいいです。

活性炭は、1ヶ月間または2ヶ月間、効果が続きます。活性炭の交換は必須で、交換時期はメーカーによります。コスパも考えて選びましょう。


コケ掃除は状況次第で随時

水槽立ち上げ当初は気になりませんが、間もなくコケが目立つようになります。いったん目立ってくると、あとは早いです。掃除しても掃除しても、翌日には現れます。水槽管理とはコケとの戦いとも言える、と気付きました。

コケは増えすぎるとニオイの元になるし水槽の視界をさえぎるので掃除して取り除きたいところですが、金魚にとっては栄養豊富な健康食とも言えます。コケの掃除をしていると金魚は寄ってきて、剥がれたコケをパクッと食べています。

コケの繁栄をどこまで容認するか排除するかは、管理者の考え方次第かと思います。私は週1の水換えのときに、水槽の前面はしっかり、側面と後ろ面はざっと、メラミンスポンジでコケ掃除をしています。

水面近くを泳ぐ金魚

メンテナンスサイクルの例

金魚水槽を維持するためのメンテナンスは水換えだけだと勝手に考えていた私は、実際に水槽を立ち上げた後、フィルターの管理、ウールマット等や活性炭の交換、その他のろ材の管理、水中ポンプの掃除、コケ取りなどがあることを知りました。

コケは見えるのでわかりますが、フィルターの中のウールマットはわざわざ見なければ汚れに気付きません。活性炭は交換時期が決まっていますが、水中ポンプの中の汚れは分解してみないとわかりません。

そこで、必要な作業を1ヶ月サイクルで決めて、カレンダーに書き込むことにしました。これは、私の場合です。

9月のカレンダー

水槽の水換えは、曜日を決めて週1で行っています。例えば日曜日とします。次の水換えまで7日間の中日(なかび)、3日目または4日目の水曜日か木曜日ぐらいに、ウールマット、活性炭、ポンプ掃除などを週ごとに割り振ります。

1ヶ月の1週目の水or木曜日が活性炭交換、2週目の水or木曜日がウールマット交換、3週目が水中ポンプ分解掃除、というかんじでカレンダーに書き込みます。4週目は状況次第でコケ取りで、5週目があるときはお休みです。

日曜日の水換えも含めると、毎日のエサやり以外に、3~4日の間隔で何かしら水槽メンテナンスに関わることになります。より観察する機会が増え、金魚や水槽に異変があっても気付きやすいかと思います。

可愛い金魚のアップ

水換えも含めて、このメンテナンスがなぜか楽しみなのが、自分でとても不思議です。カレンダーを見ながら「明日は水換えするんだ~♪」とか「明後日は水中ポンプ!またキレイにするぞー♪」というかんじです。

金魚を飼う前だったら、絶対に面倒くさいとしか思えなかったであろう大変な作業を、そのたびに楽しくやっています。金魚が可愛いからなのか、私が金魚飼育に向いていたのか、なんとも言えないところです。